#07:社会人、1年目。単身、ブラジルで事業開発

No.03 起業家×グローバル!エリート街道を飛び出した男の挑戦。

中澤さんのインタビュー#07です!
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入社後いきなり期待を裏切られる

– すぐにブラジルに飛んだんですか?

最初はいきなりブラジルに行けると聞いていたのですが、まだ具体的な計画になっていなかったんです。
なので、2月に入社した後、まずはブラジルの市場調査や、サービス設計、マーケティングプラン策定をしました。

メインメンバーは僕含めサービス開発の日本人メンバー数名と現地のブラジル人で進めていました。

そうして、ブラジル進出の準備を進めていたところ…
”現地のブラジル人だけでいけるだろ!”と上司が言い出したんです!

自分の力でブラジル渡航を勝ち取る

– えっ!当初の話と違いますね!

そうなんですよ!
僕も当時そう思って、”話が違う、転職しようかな”と思いました。

で、ふてくされながら調べていたら、政府系の団体が、日本のベンチャー企業の海外進出に補助金を出している事を見つけんたんです。
これだ!と思いましたね。

この補助金を申請して取れれば、サービス構築費用を賄う事ができます。
そうすれば、僕のブラジル滞在費を会社が捻出できるのでは?と。

そして、勝手に動き始め、補助金の申請書を記入し、提出しました。
無事審査に通過して、補助金が取れたので、それで上司を社内を説得したんです。

”そこまでやったんなら”と無事にブラジル渡航を勝ち取りました。

– 勝手にやったんですか!すごい行動力ですね。

やっぱり自分がやりたい事は、自分で勝ち取らないとダメです。

僕が留学したいと思っても成績が足りなかった時は、先輩に相談し、助けを求めました。
今回のブラジルの件では、自分で資金というボトルネックを見つけ、それを取り除く方法を見つけ、社内を説得しました。

なにかそのために障害があるならば、それを言い訳に諦めるのではなく、それを取り除く方法を模索するべきだと思います。
そして、ちゃんと調べたり、人に相談すれば必ずなにか解決策はあります。

中澤さんの写真
中澤亮太|Ryota Nakazawa。一橋大学経済学部在学中にレアジョブにてインターンシップ、イリノイ大学への1年間の留学を経験。2015年に卒業後、レアジョブのブラジル事業の立ち上げを経て2017年に起業。現在は仏企業アゴライズのオープンイノベーション事業の日本展開を手がける。

ブラジルは大きなビジネスチャンス

– ブラジルの英語事情についても触れながら、どのように事業を拡大したのかお聞かせ願えますか?

現地では、日本人としては僕だけで、現地のブラジル人と2人で事業開発に取り組みました。
なので、人では常に足りず、大変でしたが、めちゃくちゃ楽しかったです。

BRICsという言葉もあり、ブラジルは新興著しい発展国の一つとして注目している人もいました。
※BRICsとは、当時新興著しかった途上国、Brazil、Russia、India、Chinaの頭文字を取った造語。後にSouth Africaが加わり、BIRCSになった。

国が豊かになり、内需が大きくなると外資系の企業が参入してきます。
そして、外資系企業の方がブラジル国内企業よりも給料相場が2倍くらい高いんです。
外資系企業で働くためには、英語が不可欠です。

そんなわけでブラジルは英語へのニーズがめちゃくちゃ大きかったんです。

ブラジル事情を掘り下げ、浸透戦略を策定

– そうだったんですか。途上国はどこも同じような現象が当てはまりそうですね。

そうですね。
多分他にも、同じことが当てはまる国はあると思います。

ただ、日本でもそうですが英語を学ぶにはそれ相応のコストがかかるんです。

ブラジルには、A~Eの5層に分けられた、所得ピラミッドがあります。
D~E層は、いわゆる貧困層であり、レアジョブのサービスを購入する事が難しく、C層以上がターゲティングしうる層でした。

下図のような感じです。

ブラジルの所得階層イメージ

A層

A層は、ごく一部の富裕層です。
彼らは英語圏(主に米国)に留学するだけの経済的余裕があり、英語が使える割合が高いです。
企業の重役の家庭等が該当します。

家庭所得が最低賃金の20倍超が目安です。

B層

B層は、いわゆる中流階級に当たります。
ブラジルでは、このくらいの所得があれば、通学式の英会話教室に通う事ができます。
従って、そこそこ英語を理解できる人がいる層です。

家庭所得が最低賃金の10~20倍が目安です。

C層

C層は、その下の階層です。
彼らの所得水準になると、通学式英会話に通うことは難しくなります。
でも、人口が多いボリュームゾーンです。
そして、レアジョブはオンライン英会話なので通学式よりも安価にサービスを提供できます。

このブラジルのボリュームゾーンに刺さるサービスを出す事がブラジル進出のポイントでした。

– なるほど。具体的にはどのような施策を実行したんですか?

ブラジルでは電話セールスがめっちゃ重要なんです。
日本だと電話セールスって結構嫌がられますが、ブラジルではその電話での一押しによって、劇的に成約率が上がるんです。

日本でも昔は電話セールスが多かったらしいので、所得水準が上がるに連れて電話セールスを嫌がる割合が増えるのかも知れないですが、そのへんはなんとも言えませんね。
ただ、日本と外国の違いが如実に出ていて面白かったです。

基本的に、オンラインや新聞等でのPRで拡散して、電話セールスで顧客を獲得するのが主なマーケティング施策でした。

ブラジルでも行動力がものを言った

- このブラジル事情はどうやって調べたんですか?

現地のことは現地の人に聞かないとわからない。
ということで、ブラジル人経営者とか、ビジネスパーソンに話を聞きまくりました。

Linkedinで調べて、ブラジル人でブラジルでスタートアップをやっている人に片っ端からメッセージを送りました。
※Linkedinとは、ビジネスパーソンが活用しているSNS。海外では超メジャーなサービスであり、中澤さんのような使い方のほか、転職等でもよく活用される。

そしたら意外とたくさんの人が会ってくれまして。
ブラジルで事業を行う上での心構えとか、先述の電話セールスの重要性とか、いろんな事を教わりました。

グローバルに働くなら、このような現地の方とのコミュニケーションが非常に重要だと感じた経験ですね。

異国で感じた、日本人の凄さ

– 確かに、意外と頼まれると知らない人でも協力したくなりますよね。

確かに、僕も海外はかなり行きましたが、結構現地の方は助けてくれます。

また、今回に関しては、日本人は人気があるという、ブラジル特有の事情も大きかったと思います。
特にサンパウロでは、すごいですよ。

ブラジルは日系の移民の方がたくさんいて、彼らが街を発展させてきたと認識されています。

なのでブラジルの方は日本人に対してめちゃくちゃ敬意を持って接してくれるし、親切です。

同じ日本人として、先人たちの積み上げてくれた功績には本当に感謝しています。
僕も続かなければと身が引き締まる思いでした。

インタビュー中の中澤さん

首絞め強盗に遭遇…身の危険も日本とは桁違い

– めちゃくちゃブラジルで楽しく過ごされていたんですね!他に、ブラジル特有の経験はありましたか?

ありますよ!
首絞め強盗に遭ったんです。

皆さんもご存知かもしれませんが、ブラジルは治安が悪く、夜は絶対出歩いてはいけないと言われていました。

僕が襲われた日は、リオのカーニバルの日だったんです。
”カーニバルなら夜まで騒いでいるし、明るいし、行けるだろ!めっちゃ楽しそうだし!”と軽い気持ちで夜に外出したんです。

滞在していたホテルからカーニバルの中心地のビーチまで、ウッキウキで移動していた所、少年5人に囲まれまして。
後ろからいきなり飛び蹴りをくらい、もうひとりに首をロックされ、残りの3人にiPhoneと財布を盗られました。

1:5だったので、僕も諦めて反撃する事はせず、少年たちは去っていきました。
その後はお金もなかったので、近くにいたブラジル人に助けてもらってなんとかホテルまで帰りました。
ブラジルの怖さと暖かさの両方を感じた一日でしたね。

– それは怖い経験ですね…。

”途上国で働きたい”という学生さんは多いと思いますが、このようなリスクがある事と、その対処はきちんと考えて頂いた方が良いと思います。

この話をブラジルの友人にした所、抵抗しなくて正解だったと言われました。
”強盗はたいていナイフ等の武器を持っている。多分抵抗していたら殺されていたぞ。”と

僕が帰国してから、コロンビアで日本人旅行者が刺殺された事件があったんです。
その時は1:1で、その日本人は奪われたタブレットを取り返すために強盗を追いかけたそうです。
そして、反撃してきた強盗に刺されたと。

僕は1:5だったので諦めがつきましたが、1:1なら多分追いかけたと思います。

こういった危機管理の重要性を学べた事も、ブラジルに行ってよかった事ですね。


#00:グローバルな起業家になる。エリート街道を飛び出した男の挑戦。
#01:内気な少年から、ガキ大将へ
#02:運動会、彼女作り…。何事もチームで戦略的に取り組んだ高校時代
#03:悔しさをバネに努力し、視点はグローバルに
#04:英語は本当に苦手だった。1年をかけた留学準備
#05:留学を経て定まった方向性。グローバルな起業家になると決めた
#06:就活はやめて自分の将来と向き合う
#07:社会人、1年目。単身、ブラジルで事業開発
#08:気軽に起業するも、本当に苦労した。香港で出会ったオープンイノベーション
#09:確信した、日本人のポテンシャル。若いうちから世界を見る事で、視野を広げよう