#08:気軽に起業するも大苦戦!香港で運命の出会い

No.03 起業家×グローバル!エリート街道を飛び出した男の挑戦。

中澤さんのインタビュー#08です!
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起業のキッカケは成長の実感とブラジル比率の低下

– 怖い思いはしつつも、望んでいた事を手に入れ、充実していたにも関わらず、どのように起業に至るのでしょうか?

確かに、レアジョブという会社にも、ブラジル事業にも不満はなく、やりたい事ができており、とても楽しく過ごせていました。

しかし、ブラジルに行ってしばらく経つ頃、レアジョブの戦略が変わったんです。
そして、大きくなりつつあったとは言え、まだまだ投資フェーズにあったブラジル事業の扱いを考え直す事になったんです。

僕は日本に呼び戻され、その後の1年間は、日本でマーケティング半分、ブラジル事業半分の生活になりました。
ブラジルと日本は片道30時間ですし、時差も12時間あり、かなりハードでしたね…。

日本ではマーケティングを担当したのですが、ブラジルで鍛えられていた事もあり、マーケティングに関する相談が集まるようになったんです。
社内からはもちろん、社外の先輩・知人からも相談を受ける事が増えて。

”このマーケティングのスキルがあれば、独り立ちしてもなんとかなるぞ”という手応えを感じました。

しかし、日本での役割が大きくなるに連れ、徐々に日本の比率が高まり、ブラジルの比率が下がっていきます。

この、”独り立ちできる”という成長した実感と、”ブラジル比率が下がり日本を向いた仕事が増えた事”の2点に加え、ブラジル事業が落ち着いてきたので、起業する事にしたんです。

中澤さんの写真
中澤亮太|Ryota Nakazawa。一橋大学経済学部在学中にレアジョブにてインターンシップ、イリノイ大学への1年間の留学を経験。2015年に卒業後、レアジョブのブラジル事業の立ち上げを経て2017年に起業。現在は仏企業アゴライズのオープンイノベーション事業の日本展開を手がける。

相方に連絡し、気軽に起業した

– どんな事業をする予定だったんですか?

起業しようと思った時に、インドネシアで出会った相方に連絡したんです。
実は、相方も丁度区切りのいいところで、お互いのタイミングが合ったんです。
なので一緒にやらないかと連絡しました。

相方も海外で仕事をしていたので、共通して海外に強みがありました。
そして、僕はマーケティング、相方は人材系に強みがあり、”それだけ強みがあれば何かしら仕事はあるだろう”と思い、気楽な感じで起業したんです。笑

なので、具体的な事業計画があったわけじゃないんです。

– インドネシアで会い、2ヶ月仕事をしただけで一緒に起業に至ったのはすごいですね。

初対面のときから、とにかく馬が合ったんです。

インドネシアで彼が社長を継ぎ、死にかけている時にずっと電話で相談に乗ったのがやはり大きかったと思います。

インドネシアでのインターンシップの後も、節目節目で連絡を取り合ったり、帰国のタイミングが合えば会ってたりしていました。

その中で、お互いになんとなく一緒に起業するんだろうなっていう感覚があったんです。
なんというか、お互いの直感でしたね。

経験的に、結構こういう、ビビッときた感覚は大切にした方がいいと僕は思っています。
直感を信用して後悔する事ってやっぱり少ないので。

インタビュー中の中澤さん

計画なき起業…。最初はピボットしまくった

– 具体的な計画なく、ビビっときて起業したわけですが、始めは何を?

先述の通り、起業前に事業計画は立てておらず、2人で起業してから計画を練りました。

一番最初のプランは、東欧のエンジニアと日本企業のマッチング事業でした。
でも、これは大手企業が似たような事をし始めたのでピボットします。
※”ピボット”とは、事業内容を転換する事を指す。創業期のスタートアップは手探りにいろいろな事業に挑戦するため、この言葉がよく使われる。

その後もこれ!という事業計画が立てられず、単発のプロジェクトを知人伝手で受注してなんとか売上を立てていました。

古巣レアジョブのブラジルでのマーケティングを受託したり、アイドルの海外進出支援を少し手伝ったり・・・。
中国でマーケティング事業をやった事もあります。中国における、中国人インフルエンサーを活用したマーケティングプランを日本の美容会社に販売していました。

いずれも海外とマーケティングが絡む事で僕の得意分野ではあったものの、単発で事業として成り立つほどのものではありませんでした。

インタビュー中の中澤さん

大切なのは、ぶれない軸

– 起業すると、自分で生活を稼がないといけない一方、やりたい事をやるには資金がいるし、大変だったと思いますが、いかがですか?

この頃はめちゃくちゃ苦労しましたよ。
大変でした。

単発のプロジェクトで生きていたので、売上が全然ない月もありました。
かなり節約生活しましたね。

それでも、ずっとやりたかった”自分で事業をやる”事と、”グローバル”の両方が満たされていたので、楽しかったです。

大切にする事を明確にして、その軸で考え抜く事が重要だと思います。
そうすれば、厳しいときでも踏ん張る事ができます。

僕の場合は、それが”事業を創る”事と、”グローバル”だったんです。

香港で、ついに方向性が見える

– その後、どのようにオープンイノベーションにつながるのですか?

香港でスタートアップ関連イベントに参加したのがキッカケです。
当時、中国でマーケティング事業をやっていたのですが、少し時間が空いたので、Facebookで見つけて面白そうと思い、お邪魔したんです。

そこでアゴライズがプレゼンテーションをしていたんです。
サービスの中身がわかりにくかったけど、面白そうと思って。

担当者に話しかけて連絡先をもらい、これを日本でやるつもりあるなら、僕ら一緒にやるよと連絡したんです。

アゴライズとは、フランスのベンチャー企業で、オープンイノベーションなる事業を行っています。

オープンイノベーションとは、簡単に言うと、自社だけでなく他社や大学、学生等と協力してサービスや事業をつくるというコンセプトです。

アゴライズは、主に大手企業と学生やベンチャー企業をマッチングするプラットフォームを運営しています。

(ここは次回詳しく説明します。)

– なるほど。それで今後やっていく事業が決まったんですか?

いえ、それが全然返信なくて。笑
僕らもそこまでしつこく追いかけなかったので、アゴライズを日本に持ってくる計画は、2ヶ月位放置でした。

その2ヶ月も別け隔てなく色々仕事をしていたんですが、ずっと頭の片隅にアゴライズがあったんです。
そして、2ヶ月した頃、ふと思い立ってLinkedinでアゴライズの社長を探して、直接連絡したんです。

そうしたら返事が帰ってきて。
ぜひやりましょう。一回打ち合わせできますか?と。

アゴライズとの出会いから4ヶ月位たってようやくでした。
2018年3月から、僕の会社が日本における総代理店となり、このオープンイノベーション事業を開始します。

人材への思い入れが根底に

– アゴライズのビジネスにビビっときた理由はなにかあるんですか?

僕は”グローバルに働く”、”事業を創る”という事がやりたくて起業しました。

そして、起業してやりたかったテーマに”人材”があったんです。
元々相方が人材系に強みがあったというのも大きかったんですが、それ以上に僕も思い入れがあって。

インタビュー中の中澤さん

人材への思い入れのルーツは、レアジョブ

– 人材への思い入れはいつ頃から芽生えたんですか?

そのルーツはレアジョブで働いていた事にさかのぼります。
レアジョブの講師はフィリピン人です。

フィリピンって実はBPO大国なんですよ。
フィリピンでは、いい大学出たエリートでも、その多くは外資系企業の手足となって単純作業をする事になるんです。
※BPOとは、Business Process Outsourcingの略。伝票の打ち込み等の価値創出に付随して発生する単純作業を外注する事。大抵は賃金の安い途上国に外注する。

なので、フィリピンではせっかく優秀な頭脳があっても、クリエイティビティのある仕事ができない。
自由に働き、自分が事業を創りたいと思って生きてきたので、僕だったらそれは耐えられないと思います。

レアジョブは、そんな国に、英語の先生というクリエイティビティを発揮できる仕事をつくり、フィリピンにしてはかなり高給を支払っていました。
実際に雇用を創出している実感もありました。

レアジョブにいた頃、このフィリピン人の生活を良くしている事が、最も意義がある仕事だと感じていました。

オープンイノベーション事業は、学生やベンチャー企業等、挑戦するイノベーターと、大きな資産を持つ大企業をマッチングする事で新た価値を作り上げる事を目的としています。

アゴライズはそれをグローバルなスケールで展開しています。

この事業であれば、日本の企業を変革しつつ、日本のイノベーターのクリエイティビティを解き放ち、グローバルな環境で活躍する事が可能になると思い、ビビッときたんです。


#00:グローバルな起業家になる。エリート街道を飛び出した男の挑戦。
#01:内気な少年から、ガキ大将へ
#02:運動会、彼女作り…。何事もチームで戦略的に取り組んだ高校時代
#03:悔しさをバネに努力し、視点はグローバルに
#04:英語は本当に苦手だった。1年をかけた留学準備
#05:留学を経て定まった方向性。グローバルな起業家になると決めた
#06:就活はやめて自分の将来と向き合う
#07:社会人、1年目。単身、ブラジルで事業開発#08:気軽に起業するも、本当に苦労した。香港で出会ったオープンイノベーション
#08:確信した、日本人のポテンシャル。若いうちから世界を見る事で、視野を広げよう